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住宅ローンは悪か?

 表題の通り住宅ローンは悪なのかどうか、もっと言うと、住宅は賃貸派と持家派(住宅ローンを組んで購入)のどちらがいいいのかということについて、私なりの考えをまとめてみました。

 まずは賃貸と持家で考えられるメリット・デメリットから。

(a)賃貸
メリット
・収入が減少したら住み替えなどで住宅費のコストカットが可能
・固定資産税や修繕費などの維持コストが不要
デメリット
・万が一収入がなくなっても最低限の住居費は必要

(b)持家
メリット
・万が一の場合(死亡・病気など)住宅ローンの内容次第で住居費の負担減
デメリット
・収入が減少しても住宅ローンの負担を減らすのが難しい
・固定資産税や修繕費などの維持コストが必要

 ということで、簡単にメリット・デメリットを書き出してみると、経済合理的には賃貸のほうに分がありそうです。また、多くのマネー本でも住宅ローンを組んで家を買うのは避けるべきだと書かれています。ちなみに家を保有することによる精神的満足度などについては話がややこしくなるのでここでは触れません。

 私も経済合理性から考えると賃貸のほうが有利なのかなとは思うのですが、購入する不動産と住宅ローンに一定の条件が揃っており、なおかつ住宅ローンをうまく利用出来るだけのマネーリテラシーがあれば住宅ローンを組んで家を買うことが賃貸に比べて不利にはならないものと考えています。

 その一定の条件とは下記のようなものです。
・購入する不動産の流動性が高い
・好立地・高品質等、不動産としての資産価値が高い
・なおかつその資産価値が長く保たれる(可能性がある)
・借入金利が低い(借入金利が1%代など)

 これらの条件を満たしていれば、住居としての不動産の購入を考慮してもよいと考えます。あとは次のような考え方が身についていれば、そう簡単に家計が破綻することは無いはずです。

(1)不動産の時価評価額と借入残高をほぼ一致させるか、借入残高の方を少なくする
(2)不動産以外の資産(現金や有価証券等)をある程度保有している
(3)月々の借入金の返済を余裕を持って行えるキャッシュフローがある
(4)上記キャッシュフローがある程度安定している(給与・配当等で複数の収入があれば尚可)

 家計を一般企業の財務諸表と同じように考えると、購入する住宅(不動産)は資産の部の有形固定資産、住宅ローンは負債の部の長期借入金となります。よって、万が一収入(キャッシュフロー)が激減した場合は、有形固定資産の住居を売却し、負債である住宅ローンを返済することでバランスシートを一気に圧縮し、減ってしまった収入に合わせた住居に一時避難できれば家計は破綻しないはずです。

 これを行うためには購入する不動産に一定の流動性があること、時価評価額が借入残高と同等となっている必要があります。ちなみに、保有する不動産に一定の流動性があるということは、ある程度の時価評価が行われる優良物件と同義とも考えられます。また、不動産以外の資産をある程度保有(例えば2年間分の生活費相当)していれば、最悪無収入となってもある程度の期間は持ちこたえることが出来るはずです。

 また、住宅ローンにはもう一つオプション(もちろん費用はかかっていますが)があり、本当の最悪の事態(本人の死亡)が起こった場合は住宅ローン残高がゼロとなるので、住宅は残ったまま借入金はすべて消えてしまい、バランスシートが一気に改善します。このバランスシートは残された家族にとっては非常に有利な条件となるはずです。

 ここまで書いたように完全な物件を探して購入するのはなかなか難しいかもしれませんが、やりようによっては住宅ローンを抱えることはそれほどのリスクにはならないとも考えられます。もちろん想定外の事態が起こり、上記のように上手く行くとは限らないのですが、ある程度のマネーリテラシーがあるのであれば上手く住宅ローンを利用して満足のいく住宅を手に入れることも可能かと思います。
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[ 2010/07/03 22:51 ] 雑記 | TB(0) | CM(0)

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