文庫の投資本でよい内容のものは少ないように感じますが、この2冊はまだ読めるほうではないかと思います。
1冊目。
もとは2002年に出版された単行本の文庫版です。対面売買の話が出てくるなど、内容がやや古い感があるのと、チェックすべき株価指標がテクニカルなものばかりだったのが気になりましたが、株式投資で”やってはいけないこと”の内容はなかなか面白かったです。
特に、自社株(持株会)への投資はやってはいけない、サラリーマンは場中に株価をチェックしてはいけない、手仕舞いは必ず成行注文で、急な方針変更をしてはいけない、迷ったまま売買してはいけない、などは自分でも心当たりのあることで、それなりに説得力がある内容でした。
2冊目。
こちらは2000年に出版された本の文庫版です。かなり加筆・訂正されているようですが、やはりちょっと内容が古い感じがします。基本は中小型の成長株への投資を紹介していますが、途中からちょっと本の主旨がわからなくなっているように感じました。
本書の半ば辺りで唐突に企業の安易なエクイティ・ファイナンスの問題点、同じく安易な株式公開の問題点、IRの話などが出てきて、なんとなく内容が首尾一貫していないように感じました。2000年に出版された本を大幅加筆したようなので、その部分と当初の部分ですこしズレがあるのでしょうか。
ということで、2冊とも値段のわりに内容が面白かった本です。内容はそれほど重くなく、文庫版で読みやすいので、Amazonで書籍代が1,500円に届かないときにでも注文すると良いかもしれません。
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