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『証券分析』 5

 やっと『証券分析』読み終わりました。

 引き続きコレはと思う部分をメモ。

第31章 損益計算書の分析
(収益力だけを重視する誤り)現在ではその会社の収益力だけを見て普通株に投資することが一般的な慣行になったが、企業の実体と投資基準の間には大きな隔たりがある。-中略-経験豊富な投資家の目から見ると、損益計算書にはバランスシートよりも多くの記述ミスや恣意的な推定値が盛り込まれていることである。

第37章 過去の決算数字
(数量的分析は質的分析で補完)企業の決算数字を分析する場合には、次のような証券分析の重要な原則を念頭に置くべきである。「企業の数量的データは、それが質的分析の結果によって裏付けされている場合に限り有効である。」

第39章 普通株の株価収益率
(正確な評価基準など存在しない)証券アナリストは特定の普通株の「適切な価値」について一般的な原則など示すべきではない。そのようなものは実際には存在しないからである。-中略-当期利益が常に変化していることを考えれば、それをベースに普通株を評価するというその考え方自体がおかしいことになる。10倍とか15倍などというPERは基本的には恣意的な基準でしかないのである。

(普通株の投資)PERは必要条件ではあっても絶対条件ではない。その会社の財務力、経営陣の能力、業績見通しなどにも十分に目を配る必要がある。-中略-普通株が、①保守的な投資家のおカネを投資するだけの十分な価値がある、②将来の業績見通しが明るい-という2つの条件を満たすならば、その銘柄は将来的に値上がりする可能性はかなり高い。


 39章ではグレアムのPERに関する考え方が掘り下げられて記述されており、興味深い内容でした。引用はしていませんが、グレアムは普通株を投資目的で購入する場合のPERの最高値を16倍と設定しています。また、その場合のPERは最低でも過去5年間、できれば7~10年間の平均収益から計算すべきとしており、16倍という数値についても、「その会社の将来の収益が過去の水準を上回るという見通しがある場合しか受け入れられないかもしれない」とも述べています。
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[ 2006/10/28 20:27 ] 『証券分析』 | TB(0) | CM(2)

お疲れ様でした!!
もはや、あれを読破したというだけで、ある意味尊敬に値すると思います(^^)
[ 2006/10/29 22:22 ] [ 編集 ]

ありがとうございます!
読破したという充実感以外なにも残っていないかもしれません(笑。
[ 2006/10/30 21:28 ] [ 編集 ]

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