第1部 ジム・ロジャーズの講演の内容
・1999~2001年の世界一周旅が終わった後、結婚して子供を作った。以前は投資家に子供は不必要と思っていたが、今は違う。娘は私にとって最も重要な存在だ。皆さんも家に帰ったらすぐに子供を作りなさい。
・中国の台頭19世紀は大英帝国の時代。20世紀はアメリカ合衆国の時代。そして、21世紀は中国の時代となるだろう。中国については短期的な後退局面はあり得ると考えている。直近では、不動産投機が過熱しており、この不動産バブルが数ヶ月~数年で崩壊する可能性がある。しかし、長期的には中国の時代となる。中国人は豊かになるために勤勉に働く。中国人の貯蓄率は35%、アメリカ人は僅か1%。
→インドに関する発言は無し。中国の将来性についてはちょっと思うところアリ。・米ドルの先行き米ドルは過去60年間、世界の基軸通貨であった。それ以前は英ポンドが世界通貨であったように、米ドルもいつかは世界通貨ではなくなる。米国は1987年以降債務国となり、現在は8兆ドルの債務がある。政府はドル安政策を取っており、米ドル紙幣をどんどん印刷して世界中にばら撒けばいいと考えている。コントロールされない通貨は危険。このような経済政策は長期的には通用しない。
→次の基軸通貨については言及せず。後半の質疑応答では、有望な通貨は「わからない」と回答していました。ちなみに日本円は「まだ保有している」とのこと。・債券債券価格の上昇は2003年に終わった。
→債券は問題外のようです・・・。・株式(米国)1980~90年代の上昇相場で今は頭打ち。バリュエーション(PER・PBR・配当利回)的にも、米国株は割高。今は高値のボックス圏で推移しており、この局面で利益を出すのは難しい。
→株式のバリュエーションについては、PER・PBR等の歴史的な指標で判断するのが妥当との発言もあり。・株式(アジア)アジアの株式は、バリュエーション的にまだ割安。
→日本株、「まだ持ってる」そうです。・コモディティコモディティの現在の状況は20~30年前の(割安だった頃の)株式と同じ。長期の買い持ちで運用すべき。2003年から始まったコモディティの上昇相場は、2026年まで続く可能性がある。コモディティの上昇相場は15年~23年続く。最近までコモディティへの投資はほとんど行われておらず、商品生産のための設備投資に資金がまわっていない。新しい油田は1970年代以降発見されていない。いずれ需要と供給のバランスが崩れ、コモディティはもっと上昇する。
→内容は『商品の時代』とほぼ同じでした。・コモディティ・インデックスRICI(ロジャーズ国債商品指数)は1998~2006年で268%上昇。同時期のS&P500はフラット。コモディティにも一時的な下落はあり得る。一番利口な投資手法はインデックスへの投資。個別銘柄に自信があるなら、それは各自の責任で自由にやればよい。コモディティは株式との相関がないので、分散投資に使える。
→ジム・ロジャーズ自身は分散投資に懐疑的?儲かると確信したら(儲かると確信するまで動かない)、そこに集中投資するようです。・原油について(代表的な商品としての)過去、原油輸出国であった国々が原油輸入国となっている。OPECの中にも原油輸入国が出てきている。(最大の産油国である)サウジアラビアについては、公開されている原油埋蔵量のデータに信憑性がない。サウジでは毎年埋蔵量が発表されているが、その埋蔵量は常に同じであり、産出量が増加していることと矛盾している。
前半はここで終了。
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