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『ゲド戦記』(4)

 続いて4巻「帰還」。
ゲド戦記 4 帰還ゲド戦記 4 帰還
アーシュラ・K. ル・グウィン 清水 真砂子

岩波書店 2006-05-11
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 ストーリー:魔法の力を使い果たしたゲドは故郷ゴント島に戻りテナーと再会。テナーは大火傷を負った少女テハヌー(テルー)を養女としており、様々な経緯を経て3人の共同生活が始まる。しかし偉大な魔法使いであったゲド、カルガド帝国の巫女であったテナーはゴント島の様々な人々から迫害を受けることとなる。

 1巻から3巻までは1968年~1972年にかけて発表されていますが、4巻「帰還」は1990年に発表されています。3巻の発表から4巻の発表までに十数年という間隔が存在し、作品の内容も3巻までとはかなり変化しています。

 「帰還」は過去3作と違い、前作3巻「さいはての島へ」のラストがそのまま「帰還」と繋がっています。竜(カレシン)に連れられてゴント島のテナーの元に帰還したゲドは、魔法の力をすべて失っており、精神的にも肉体的にも無力な人間となります。アースシー世界の王となったレバンネンがゲドを戴冠式に招待するためにゴント島を訪れますが、ゲドは自分が再び”大賢人”とされることを恐れ、ゴント島の奥深くへと逃れてしまいます。やがて、ゲドはテナーにより徐々に人間性を取り戻し、”大魔法使いゲド”ではなく、普通の人間としてテナーと愛し合うようになります。

 しかし、特別な存在であったゲドとテナーはゴント島の魔法使いから迫害を受け、ついには処刑されそうになります。ここで、テハヌーが竜(カレシン)を呼び出し、ゲドとテナーを救います。テハヌーはカレシンから竜の娘と呼ばれますが、なぜテハヌーが竜の娘であるのか、竜を呼び出すことが出来るのかは明らかにはされません。

 4巻以降、アースシーの世界観は少しづつ変化していきます。大魔法使いとして妻も子供も持たなかったゲドはテナーと結婚し、テハヌーを養女とします。また、魔法は男だけのものされてきたにも関わらず、次期大賢人として女性が候補に挙がってきます。そして、魔法使いではないレバンネン王によりアースシー世界の秩序は回復に向かいます。竜の娘テハヌーや人間と竜との関係など、3巻までには登場しなかった新しいテーマがいろいろ登場してきます。とはいうものの、原作者は4巻の副題を「ゲド戦記 最後の書」としており、ゲドとテナーの最後の物語と位置付けています。

 この巻でも非常に印象に残る一節がありました。ゲドとテナーが初めて愛し合った直後のテナーの台詞です。

 「でも、私にひとつだけ取り柄があるとすれば、それは人を愛することができるということ。ゲド、どうかわたしのこと、怖がらないで。あなたは初めて会ったときから男だった!武器や女が人を男にするんじゃない。魔法やどんな力でもない。本人よ。その人自身よ。」


 『ゲド戦記』初期三部作のなかで、どうしても2巻のテナーの物語が他の2作から浮いているように感じていたのですが、4巻のこの台詞でうまく話が繋がったような感じがします。
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[ 2006/08/12 23:47 ] 読書・映画・その他 | TB(0) | CM(0)

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