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『ゲド戦記』(1)(2)

 『ゲド戦記』シリーズの本編全5巻を読み終えましたので、そろそろ感想を書こうと思います。また、ここから先はストーリーの詳細にも触れますので、これから『ゲド戦記』を読まれる方はご注意ください。

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 ストーリー:少年ゲド(ハイタカ)はその才能を見出され魔法を学ぶこととなるが、自分の才能を誇るがための魔法により”黄泉の国”から自身の”影”を呼び出してしまう。ゲドはその影に追われ続ける中で”影”の正体を知り、物語の最後でゲドと”影”はひとつとなる。

 『ゲド戦記』シリーズ全般に言えることですが、物語は淡々としていて、「戦記」と言う名前とは裏腹に、派手な戦争や魔法使いの大活躍があるわけではなく、各巻の主人公の内面に深く関わるストーリーが展開します。

 「影との戦い」の中で、”影”は主人公ゲドの死の象徴として描かれており、物語の最後でゲドは影と一体となることで死を受け入れ、生を理解します。「自分の死の影に自分の名前を付し、己を全きものとしたのである。」として物語は終わります。これ以降の物語の中でも、影と一体化した(生と死は一体であると理解した)ゲドという人間は、要所要所で重要な役割を果たすことになります(ちなにみ2巻以降で実質的にゲドが主人公として登場する物語はありません)。また、2巻以降でも”黄泉の国”や”影”についての話はたびたび登場しており、生と死は『ゲド戦記』を通しての重要なテーマになっているようです。

 ちなみに、この物語の中でゲドは”エレス・アクベの腕輪”の半分を手に入れます。これが2巻へと繋がる鍵になっています。


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 ストーリー:アースシー世界の東端に位置する、魔法が信じられていないカルガド帝国が舞台。”アチュアンの墓所”の巫女として育てられたテナー(アルハ)は”エレス・アクベの腕輪”の残り半分を求めてやってきた大魔法使いゲドと出会い、墓所の闇の力から自由となる。

 「こわれた腕輪」の実質的な主人公はテナーで、ゲドが活躍するのは物語の後半です。物語の舞台のほとんどは墓所の地下宮殿で、1巻よりもさらに地味なお話となっています。腕輪の片割れを探しに墓所に侵入したゲドは、物語の前半であっさりとテナーに捕まってしまい、自由を奪われます。しかし、テナーはゲドとの接触を続けるうちに、ゲドを信頼するようになり、ついにはひとつとなった”エレス・アクベの腕輪”を持って、ゲドと共に墓所から脱出します。

 物語の大半は、テナーがゲドを通して自分を取り戻す過程が描かれています。しかし、自分を取り戻し自由となったテナーはその自由の重さに戸惑い、ゲドを殺そうとします。

 「彼女が今知り始めていたのは自由の重さだった。自由は、それを担おうとするものにとって、実に重い荷物である。-中略-自由は与えられるものではなくて、選択すべきものであり、しかもその選択は、必ずしも容易なものではないのだ。坂道を登った先に光があることはわかっていても、重い荷を背負った旅人は、ついにその坂道を登りきれずに終わるかもしれない」


 この一節が2巻の中で一番印象に残っています。この場面で、テナーを自由に導いたゲドは、自由の重荷にテナーが泣くにまかせ、泣き終わったテナーにも声を掛けません。

 物語の最後にゲドとテナーがアースシー世界の中心に持ち帰った”エレス・アクベの腕輪”は信頼の象徴であり、この物語以降もゲドとテナーの関係は最終巻まで続きます。

 長くなってきたので次に続きます。
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[ 2006/08/09 23:29 ] 読書・映画・その他 | TB(0) | CM(0)

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