『マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール』(マックス・ギュンター著)読了。
”投機”に関する本ということで、この本を読んだら投資に対する考え方や方針が混乱するかなぁと思って、読むのを躊躇していたんですが、結局読んでしまいました。予想通り、今まで読んできたバリュー投資系の本とはまったく正反対のことが書かれています。
この本に書かれている「公理」の一部を紹介すると・・・、
・リスクをとれ(但し意味のある投機で)
・利食いは出来るだけ早く。
・損切りは出来るだけ早く。
・難平買いで悪い投資を何とかしようとするな。
・長期投資を避けよ。
ということで、今まで読んできた本とはまったく逆のことが書かれています。とは言え、各公理の内容は理にかなっていて読んでいて妙に納得してしまいました・・・。また、一部の公理については今まで読んできた本に通じるものもありました。例えば、
・人間の行動は予測できない。誰であれ、未来がわかると言う人をたとえわずかでも信じてはいけない。
・過去のパターン(例えばチャートのような)が繰り返されるとは限らない。
・大多数の意見は無視しろ。それは恐らく間違っている。
といった公理は投資にも投機にも通じると思います。投機に関する具体的なルール(公理)はとりあえず置いておいて、投機(投資)に関する心構えについては多くの示唆が得られる本だと思います。
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「マネーの公理」私も先月読みました。3/16に投稿(
http://tsfund.livedoor.biz/archives/50394044.html)でも書いたのですが、この本は良書だとおもうのですが、未だに良く消化し切れていません。
> tstさん
実は、私がこの本を購入したきっかけは、tstさんがブログでこの本についての記事を書かれていたからなんです(笑。
恐らく、この本に書かれている公理をそのまま実行しても投機で成功するわけではないでしょうが、投資活動を価格差を利用した裁定取引と定義して考えると、裁定取引の本質について真剣かつ徹底的に考えて、明確なルール(公理)としている点がこの本の良書たる所以ではないかと感じています。
また、著者自身がすべての投資を投機として扱い、その事実を自ら認めた上で書かれているだけに、いい加減な投資本にはない重みがあるように思います。
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マックス・ギュンター著「マネーの公理」
冒頭に書いてあるとおり、本書は「合理的にリスクをとることを厭わない」投資家のための「リスクとそのマネジメント」に関する本です。本書のテーマは、1.リスク2.判断3.カオス4.機動性の4つです。
[2006/10/19 00:56]
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Aから始める:企業価値に基づく投資