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9月の運用成績

 2008年9月の運用成績は以下の通りとなりました。

9月iFundパフォーマンス:-11.46%
9月TOPIXパフォーマンス:-13.33%
9月TOPIXアウトパフォーム:+1.87%
9月JASDAQパフォーマンス:-9.77%
9月JASDAQアンダーパフォーム:-1.69%

2008年iFund通算パフォーマンス:-22.62%
2008年TOPIX通算パフォーマンス:-26.31%
2008年JASDAQ通算パフォーマンス:-27.44%

※上記パフォーマンスは、「売買時の手数料込み・税引き後配当を再投資・資金追加時はパフォーマンスを修正・キャピタルゲイン税は考慮せず(現時点ではまだ発生してないので)」という条件で算出しています。
(下のグラフは2005年1月からの累計)

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個別銘柄ポートフォリオ
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今月の売買
なし

 今月はTOPIXに僅差で勝利、JASDAQに僅差で敗北。市場平均との相対評価はともかく、絶対リターンで単月-10%以上ってのは相当きついですね。もっとも、今の状況では国際分散投資で比較的ボラティリティの低いはずのインデックス投資でも相当ダメージを受けているものと思われます。ここまで株価が下がれば欲しい銘柄がたくさん出てきて、嬉しいと言えば嬉しいのはずなのですが、前から書いている通り、基本方針がフルインベストなので黙って相場を眺めるだけの日々が続いています。我が家の生活費の余剰資金の一部を取り崩してでも買いたい!と思わなくもないですが、まだまだ先が見えない状況なので、当初のルールを守っていこうと思います。

 個別銘柄については、今月は売買なし。四季報発売月ということもあり、スクリーニングしながらいろいろ物色はしていたのですが、今の持株と入れ替えようと思うほどいい銘柄も見つからず、結局PFに手を入れないまま1ヵ月が過ぎてしまいました。持株の中ではキヤノンの損益もついにマイナスに転落し、損益がプラスなのはプロトと武田薬品だけになってしまいました。また、この両銘柄の含み益もすでに風前の灯火です(笑。

 それにしても、昨晩のNY市場の下げはすごかったですね。とよぴ~さんの真似をして、私もスナップショットを残しておこうと思います。
29-Sep.png

 さすがにこの下げっぷりを見れば「大暴落」といってもいいのかなと言った感じです。あと、「雄牛と熊と欲豚と」さんのところで知ったのですが、この下げ相場の中でプラスで引けてるバークシャーもスゴイ。
29-Sep-brkb.png
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[ 2008/09/30 18:47 ] 月次運用成績 | TB(0) | CM(2)

バリュー投資と”常識”

 ウチダ先生このエントリを読んで、バリュー投資(もしくは株式投資)と”常識”についていろいろ考えてみました。(参考:内田樹の研究室:そんなの常識

 私のブログのエントリの上に、曜日ごとにベンジャミン・グレアムの言葉を引用して表示しています。その中で、

「結論的には、真の投資には安全域が不可欠だということである。そして真の安全域とは、数字や筋道の立った論証、または実際の経験に照らして証明可能なものでなくてはならない。」


という言葉があります。私はこれを、客観的に判断して現在の市場価格より本質的価値のほうが低いものに投資しなきゃダメですよ、ってことだと理解しています。要するに安く買って高く売るってことなんですが、グレアムの言う「数字や筋道の立った論証、または実際の経験に照らして証明可能なもの」という部分に多少引っ掛かりを感じています。

 グレアム時代の狭義の「バリュー投資」であれば、BS上の資産価値と時価総額を比較することで、ある程度客観的に価値と価格の乖離を計ることができるのかもしれませんが、そのような銘柄がほとんどなくなってしまった現代では、企業の収益や成長性を織り込んで何らかの方法(DCF法など)で本質的価値を算出して市場価格と比較する「モダン・バリュー投資」のほうがバリュー投資の主流になっているように思われます(これをバリュー投資と呼ぶかのかどうかの議論はとりあえず置いておきます)。

 で、ここで問題なのが、「企業の収益や成長性を織り込んで何らかの方法で本質価値を算出して市場価格と比較する」ということが、「数字や筋道の立った論証、または実際の経験に照らして証明可能なもの」なのかどうかという点です。この点については、私の中で暫定的な答えは出ていて、恐らく証明可能な企業の本質価値なんてものはないのだろうなと思っています。おおまかに見積もってこれくらいの価値があるといった程度の算定方法はあっても、その企業の本質的価値は最終的には市場や投資家によって相対的に変化していくものなんだろうと思います(この辺りの考え方は、ずんちゃかさんこのエントリから相当影響を受けています)。

 ここで冒頭で紹介したウチダ先生のエントリの内容の一部を引用してみます。

常識にはその正しさを支える客観的基盤が存在しない。
「エヴィデンス・ベーストの常識」というものは存在しない。
常識というのは外形的・数値的なエヴィデンスでは基礎づけられないけれど、個人の内心深いところで確信せらるるところの知見のことなのである。
~中略~
常識は「真理」を名乗ることができない。常識は「原理」にならない。常識は「汎通的妥当性」を要求できない。
この無数の「できない」が常識の頼もしさを担保している。


 ちょっと引用が長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、マーケットで起こる様々な事項について判断する場合(企業の本質的価値を見積もるということも含めて)、この”常識”という考え方が非常に大切なんじゃないかということです。グレアムの喩で言えば、我々が相手にしているミスター・マーケットはどんどん複雑になってきており、過去に生まれたどんな理論をもってしても、また、将来生まれるであろうどんな理論をもってしても、恐らく我々はミスター・マーケットをコントロールしたりその考え方を知ることは不可能であろうと考えています。

 とすれば、最終的に一投資家がミスター・マーケットに対処する唯一の方法は”常識”しかないのかもしれません。私にとって一番身近な「バリュー投資」においても、過去の統計において割安株のリターンが市場平均をアウトパフォームしているという事実があるとしても、将来的にこれが唯一絶対な投資法であるという保証はどこにもありません。そもそも、ある指標や理論で行う割安・割高という判断すら絶対ではないと考えると、最終的にバリュー投資家が拠り所とできるのは”常識”的な判断、これは「高すぎるだろ」、「これは安い!」といった感覚的な判断を積み重ねていくことだけなのかもしれません。

 もう一度ウチダ先生のブログを引用してみます。

私たちの人生にとってほんとうに重要な分岐点では、結婚相手の選択であれ、株券の売買であれ、ハイジャックされた飛行機の中でのふるまい方であれ、「どうしてよいかの一般解がない」状態で最適解をみつけることが私たちに要求される。


 我々がミスター・マーケットと付き合うとき一番大切なことは、完璧な理論や真理などではなく、実はごく普通の経験に基づいた常識的な判断なのではないかと考えています。

[ 2008/09/25 22:55 ] 投資 | TB(0) | CM(10)

貸株サービスの利用をやめました

 私は保有している株式をすべてSBI証券の特定口座に入れています。今年7月からSBI証券でも貸株サービスが開始されたので、あまり深く考えずに「新興市場株で1%も金利がつくならラッキー」くらいの気持ちでこの貸株サービスを利用していたのですが、リーマン・ブラザーズ破綻のニュースを見て、果たしてこのまま証券会社(とその貸出先)に、私の大切な金融資産を預けてしまっていいのか考え直してみました。

 SBI証券の貸株サービスに関する「重要事項」をきちんと読んでみると、貸株サービスを利用するということはSBI証券に無担保でお金を貸すようなもので、貸株サービスを利用する場合の最大のリスクは、直接の貸出先になる証券会社の信用度にあるということがわかります。

・当社(借入者)の信用リスク
貸株サービスご利用にあたり当社と締結いただく契約は「消費貸借契約」であり、無担保契約になります。したがいまして、お客様は当社が倒産した場合などの信用リスクを負うことになります。
・当社(借入者)からの貸出先に対する信用リスク
貸出先に万一のことがあり、株券が返却されない場合、当社があらかじめ貸出先から確保している担保で株券を調達し、お客様が貸出していた株券をすべて返却いたしますが、その場合でも返却が難しい場合には、基本契約書に定められた遅延損害金としてお客様にお支払をすることになります。その場合には、株主として得られる権利(株主優待、議決権等)に相当する内容は、その保証対象とはなりませんので、予めご了承ください。
・投資者保護基金の対象とはなりません
お客様が貸出す株券は通常の保護預りとは異なり、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管の対象とはなりません。したがいまして、当社が倒産した場合などに投資者保護基金による保護の対象とはなりません。


 そこで、SBIホールディングスの社債の利回りと格付を調べてみると、こんな感じになってました。2005年から2006年にかけて発行された無担保社債の利率が1.23~2.08、また、格付はJCRR&Iともに"BBB"となっています。格付"BBB"の定義を詳しく見てみると、「債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性が低下する可能性がある」(JCR)、「信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。」(R&I)となっています。

 多少乱暴に、SBI証券の貸株サービスを利用することと、SBIホールディングスの無担保社債を買うことをほぼ同義と考えてみると、利回りでは無担保社債のほうが若干有利で、しかも格付は"BBB"(どこまで当てになるのかわかりませんが)ということで、どう考えても貸株サービスが私にとって有利な取引とは思えません。

 また、SBI証券は多少強い風が吹けばすぐに飛んでしまいそうなディスカウント・ブローカーに過ぎないでしょうし、SBIホールディングスについても、その子会社が提供する金融サービスはいくつか利用していますが、少なくとも自分が投資しようと思えるほど魅力的な会社ではないように思います(ちょっと失礼な言い草かもしれませんが・・・)。

 この貸株サービスというもの、あまり神経質に考える必要はないのかもしれませんが、万が一ということ(というか、アメリカでは大手投資銀行が簡単に破綻しているということ)もありますし、金融機関としてのSBIグループに特段の信用を置いているわけでもないので、念のために貸株サービスの利用は停止しておくことにしました。

[ 2008/09/22 18:37 ] 投資 | TB(0) | CM(12)

海外投資のガイドブック

 橘玲&海外投資を楽しむ会の『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』、究極の資産運用編と至高の銀行・証券会社編を読了。アマゾンから届いた当初にペラペラとめくってみて、私が求めていた橘玲的文章がほとんど無い本だったので読むのを後回しにしていましたが、実際ちゃんと読んでみると意外に面白かったです。

 まずは、究極の資産運用編。
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 世界中で買える金融商品、中でもETFを重点的に紹介しています。ETFについては、ネットの英文サイトで本書と同じようなETFの一覧を見たことがあるのですが、英語が苦手な私はあまりちゃんと海外ETFについて調べたことがありませんでした。本書ではこれらの海外ETFについて、日本語で一覧表が作られていて、こんなETFもあるんだ~と、妙に感心してしまいました。IVVやEFA、EEMなどの有名どころは相互リンク先のインデックス投資家さんのブログで勉強させてもらっているし、日本の証券会社でも買えるのでよく知っていたのですが、他にもMSCI以外のいろんな指数に連動するETFがあったりして、実際に海外証券会社に口座を持っていたらどれを買うか迷ってしまいそうです。またバリューETFや小型株ETFが充実しているのも羨ましいです。

 他にも、市場ごとのトレード方法や米国版Yahoo! Financeの活用方法など、勉強になることが多かったです。ただ、出版物の悲しいところで、これだけ変化の激しい時代だと、本書のETFのデータも数年も過ぎれば時代遅れになってしまいそうなので、本気で海外投資をする気なら、今後は自分で英文サイトを見ながら勉強する必要がありそうです。


次は至高の銀行・証券会社編。
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 まさに海外金融機関のガイドブック。さしずめ、海外市場の歩き方といった感じでしょうか。読んでいるだけで、まるで海外金融機関に口座を開いたかのような気分を楽しめます。ガイドブックを読んで海外旅行に行った気分になるような感じでしょうか。今のところ、海外の銀行や証券会社に口座を開く気はないので(国内の口座すらいくつか放置してるくらいです)、口座開設方法などの具体的な情報は役に立ちそうにありませんが、海外送金の仕組みや海外の金融機関と日本の金融機関の違いなどは、ごく普通の一般知識として役に立ちそうです。

 ちなみに、今までブログに書いたことはなかったと思うのですが、将来悠々自適な生活を送ることができるだけの資産ができたら、香港の投資ビザを取って、香港に移住し、そこで投資を続けつつ、東南アジア辺りのリゾートを転々としながら過ごしてみたいなあと思っています。今のところ、夢のまた夢って感じですが、いつか実現できればと思っています。

 そこで、前から気になっていたのがHSBC香港とBOOM証券の組み合わせです。この本に書いてある方法であれば、実際に香港に行ってしまえば簡単に口座が開けそうですし、英語は苦手ですが北京語でも対応してもらえるのなら言葉の問題はあまりなさそうです。次に出張か旅行で香港に行く機会があれば、将来のための橋頭堡を築くつもりで、現金を握って中環のHSBCに飛び込んでしまうのも面白そうです。


 ということで、2冊いっぺんに紹介しましたが、2冊セットで購入して海外投資をした気分に浸るのも悪くないと思います。また、本気で海外投資をしたいと思っている人にとっても、恐らくこの2冊が現時点で最良のガイドブックになるのではないかと思います。

[ 2008/09/19 23:33 ] 投資関連書籍 | TB(0) | CM(0)

金融危機と凡人投資家

 リーマン・ブラザーズが破綻して、メリルリンチがバンク・オブ・アメリカに買収されて、AIGが米国政府に救済されて政府管理下に置かれて、私がRSSリーダーに登録している金融・投資関連ブログの更新頻度が普段の倍近くになって、さらに金融とはまったく関係ないこのブログでもこんなエントリーが書かれているような状況なのに、これらのニュースに関して私がブログに書けることはほとんど何もありません。この件に関しては私のような素人よりもずっと金融に詳しい方々が、こぞってエントリをアップされているので、いまさら何も書くことなんてないのですが・・・。世界中でお祭り騒ぎが始まりつつあるのに、一人取り残されているような変な感じです(笑。

 今回の金融危機の詳細や、この先市場がどうなっていくのかは、その筋の詳しい方に任せるとして、私が今書けることはこの状況にどう対処するかってことなのかなと思っています。いろいろ考えるきっかけになったのは、相互リンク先のインデックス投資家「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の水瀬さんのこのコメントでした。

不思議なのですが、バリュー投資家さんはこういう時こそ、買い出動されないのでしょうか。
普段一生懸命研究されている、PERやPBRが割安な銘柄が市場にあふれているように思えるのですが…。


 水瀬さんが仰ることはもっともな疑問で、今のような状況はバリュー投資家にとって本領を発揮するべきタイミングなのかもしれません。真のバリュー投資家は今こそ全力で買い出動すべき時期なのかもしれません。ただ、ひとつ判断が難しい点は「今の状況が本当にチャンスなのか」ということです。今の株価が底だという保証はどこにもなく、今はここからさらに株価が下がる「終わりの始まり」に過ぎないのかもしれません。現に、ライブドアショック以降の新興市場の下げ相場や、昨年のサブプライムローン以降の下げ相場でも、買い時がやってきたと喜んでいたバリュー投資家がたくさんいたと記憶していますが、残念ながら今振り返ってみると、それは最高のタイミングではなく、更なる株価下落への通り道でしかありませんでした。

 バフェットのような天才であれば、相場の大底を待ち受けて、最高のタイミングで優良株をごっそり買い占めるということができるのかもしれません。しかし、私のような凡人にとっては、マーケットタイミングを見極めるということはほぼ不可能であり、暴落に備えてキャッシュを用意しておくということも不可能だと思われます。したがって、常にフルインベスト状態でいつか来るであろう反転相場を逃さないようにするしか手がないということになります。下げ相場が来るたびに、「ああ、今ならもっと安く買えたなぁ」と思うのですが、反対に、私には未来を予測する能力はないので、これが限界なのかなとも考えています。

 このような状況で唯一できることがあるとすれば、日々のキャッシュフローから追加資金を捻出し、割安株買付の資金にすることくらいなのでしょうが、個別株投資の場合、小額での買付けは難しいので、普通のサラリーマンであれば、それが有効な手段であるとは言い難いと思われます。ちなみに、バリューETFが出たらそれに乗り換えてもいいかなと思うのは、ETFであれば個別株に比べて比較的小額で追加投資が可能という利点があるからです。

 結局、凡人にもできる個別株でのバリュー投資というのは、その時々で割安(指標は何でもいいと思います)な銘柄を買付け、一定期間バイ・アンド・ホールドすることで、市場平均を少しでも上回るパフォーマンスを期待するということになるのだと思います。

 ということで、長々と書いてきましたが、今の私にできることは「何もせず、市場を黙って見守ること」しかありません。金融危機にショックを受けたわけではないのですが、風邪をひいてしまってしんどいので、今日は薬を飲んでさっさと寝ることにします。

2008年9月22日追記
 空色さんがこのエントリに関してさらに深く突っ込んだエントリを書かれております。ご参考まで。
Aから始める:企業価値に基づく投資:「バリュー投資家」の現状 その2

[ 2008/09/18 13:50 ] 投資 | TB(3) | CM(12)

四季報 2008年4集

 連休中に四季報CD-ROMが届いたので、早速インストール。



 今回はまだバージョンアップがないようなので、持株の記事をざっとチェックして、いつものスクリーニングをやってみました。結果は以下のとおり。

080915sc.png


 相変わらずいつもの冴えない銘柄が並んでいます(笑。割安株上位は前号とあまり変わっていない印象です。強いて言えば、前号よりさらに割安になっている感じでしょうか。

 ちなみに、9月12日付けの株価でスクリーニングしていますので、今週末に週足株価をダウンロードすれば、今日の株価暴落で新たに射程圏内に入ってくる銘柄も出てくるかもしれません。そういえば前々号(3月)時点もちょうど株価が大幅に下がったところだったので、キヤノンや武田薬品を買付けるきっかけになったのですが、今回はどうでしょうか。

[ 2008/09/16 18:20 ] 四季報 | TB(0) | CM(6)

過去を振り返り、今考えていること

 2005年5月に株式投資を始めて、はや3年と少々。開始当初からバリュー投資をやっているつもりなのですが、久しぶりに自分をブログをゆっくり読み直してみると、投資に対するスタンスや考え方が随分変わってきていることに気付きました。

2005年5月~2005年8月頃
 2005年後半の上げ相場直前。右も左もわからないまま証券口座を開き、四谷一さんの本をそのまま実践。この頃買った銘柄は今になって考えると何を基準に買ってたのかはっきりしない。『賢明なる投資家』などの名著から、個人投資家のバリュー投資本まで何でも読み漁るものの、本質はほとんど理解できていなかったと思われる。

2005年9月~2005年12月頃
 9.11衆議院選挙後、上げ相場到来。何を持ってても相当なパフォーマンスが出せたであろう環境だったにも関わらず、中途半端な銘柄選択と下手な売り買いでチャンスを逃す。四季報のスクリーニングに懲りだしたのもこの頃。引き続き投資本を読み漁って、知識だけは一人前になったつもり。

2006年1月~2006年8月頃
 ライブドア事件を発端に、新興株の下落が始まる。もちろんこの相場に巻き込まれて損失拡大。真のバリュー投資とは低PBR銘柄への分散投資だ、と考え始める。株式投資開始から1年経過。でもイマイチ銘柄選択の基準ははっきりしていなかった。ロスカットの是非なんかについても熱く語っている自分がちょっと恥ずかしい。この頃には投資本を読むペースが落ちてきて、小説をよく読む。やや現実逃避気味だったかも。

2006年9月~2006年12月頃
 引き続き下落相場。そのうち騰がるだろうと楽観していた頃。KAPPAさんの本を読んで、銘柄選択(スクリーニング)の方法をある程度明文化。でもやっぱり買っては売り、買っては売り(ロスカット)の繰り返し。投資本の乱読をやめて『証券分析』を頑張って読む。

2007年1月~2007年6月頃
 下落相場一段落。パフォーマンスは一進一退が続いていた頃。ようやく銘柄選択の基準がある程度決まってきた。自分はバフェットにはなれないということにようやく気付く。スクリーニングで機械的に選び出した銘柄から、明らかに業績見通しが悪い企業、シクリカル銘柄っぽいものを除いて、あとは適当に業種を分散させる方法を取り始める。子供が生まれて、本を読む時間もブログを更新する時間もなくなり、投資についてあまり考えられなくなってきた時期。この頃、大きな臨時収入があり、運用資産が数倍に膨れ上がった。

2007年7月~2007年12月頃
 サブプライムローン問題による下落相場が始まる。さらに損失拡大。2007年前半に多額の運用資金を追加していたので、損失の大きさにちょっと(かなり)ビビり始める。この頃から体調が悪くなり、投資についてはあまり考えず、基準にしたがって買付けた銘柄を放置していた。子育てと体調不良で本当に余裕がなくて、ブログの更新頻度もかなり少なかった。相互リンク先のインデックス投資家さん達のブログに影響されて、インデックス派に乗り換えようかなとも思い始めた。何故かビジネス書を何冊も読んでいた。なんでだろう・・・。

2008年1月~2008年6月頃
 さらに続く下落相場。継続して損失拡大。大型株(日経平均)までダダ下がり。大型優良株が買付け条件にヒットするようになってきたので、PFに組み入れる。体調は良くなり、会社にも復帰。でもバリュー投資への意欲ほとんどなくなりつつある。バリュー投資より海外ETFなどに興味を持ち始めていろいろ勉強してみる。

2008年7月~現在まで
 どこまでも続く下落相場。まだまだ損失拡大。開き直ってPFは放置。体調はかなり回復して、ブログの更新頻度もちょっと多くなる。バリュー投資についてもいろいろ再考。巷ではインデックス投資派の皆さんがかなり元気で、バリュー投資家のブログは他の投資法へ移行するか更新が止まるかで、ほぼ全滅状態。

 ということで、だらだらと過去のことを振り返ってみましたが、これから先もしばらくは下落相場が続き、バリュー投資(に限らず株式投資全般)で利益を出すのは難しい状況が続きそうです。このような状況で、今考えていることは、ここでインデックス(市場平均)投資に乗り換えると、将来一番美味しい部分を取り逃がすことになりそうなので、今の投資戦略を固持したほうが良さそうだということ。今の銘柄選択方法で市場平均と比較して大きな損失を出しているわけではないので、このやり方を今後も継続してもいいと考えています。

 もともとバリュー投資はリターンのばらつきが大きいと頭では理解していたはずですが、実際に相場が長期に渡って低迷すると、どんなに優秀な投資家でも迷いが生じるということを、ようやく理解できたような気がしています。バリュー投資を始めた当初、私がお手本にしていた個人投資家さんも次々とバリュー投資界から姿を消しつつあります。近い将来、PF全体の損失が-50%を超えてもおかしくないようなこの状況でも自分の投資戦略を堅持して、愚直にPFを維持しつつ、なおかつ継続して買いを入れられる人が、何年か先に大きな果実を得ることができるのではないかと考えています。

「貴方の意見が他人と違うことと、貴方の意見の成否は全く関係ない。貴方が持つデータとその根拠が正しければ貴方は正しいのである。」 - ベンジャミン・グレアム

[ 2008/09/14 02:43 ] 投資 | TB(0) | CM(2)

『永遠の旅行者』

 橘玲の『永遠の旅行者』読了。
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 『マネーロンダリング』に比べると少し劣るかなって印象でした。橘玲のほかの小説に比べると主人公・真鍋恭一をはじめ、登場人物の影が全体的に薄い感じがします。あと、序盤のハワイをはじめとした、物語の主要な舞台となる都市に関する薀蓄っぽい描写が長すぎて、これを省けばもっとすっきりするのになあと思います。これは私個人の好みの問題でしょうが。

 ストーリーについては、『マネーロンダリング』と似てるような似てないような。物語前半で影の薄かった人物が後半大外から差してくるって展開は2時間サスペンス風です。そんな訳で、最後のオチがイマイチ。でも金融小説としては十分面白いと思います。ということで、強引にまとめると、ストーリーや登場人物などの描写は陳腐だけど、物語の間に挟まれた金融の話は橘玲の面目躍如って感じでしょうか。上下巻で1,200円程度なら買って読む価値は十分あると思います。

[ 2008/09/13 22:42 ] 投資関連書籍 | TB(0) | CM(0)

ブログの作法

 愛読している山崎氏のブログ「王様の耳はロバの耳!」でこんなエントリがあり、私のブログは「野暮」なのか「粋」なのか、また、一歩進んで、「ブログの作法」ってどんなことなんだろうか、といろいろ考えてみました。

 山崎氏の考える「野暮」と「粋」の別は次のようになっています。

1)カキコミの制限→野暮、自由なカキコミ→粋
2)実名の要求→野暮、匿名(ハンドルネーム)の許容→粋
3)自分が成功した(自慢)話→野暮、率直な失敗の告白(自虐)→粋
4)アフィリエイトの利用やバナー広告→野暮、無償の運営→粋
5)話の流れに関係ない話題→野暮、話に関連のある意外な話題→粋
6)一方的な批判→野暮、自説を批判の可能性に晒す姿勢→粋
7)詳細なプロフィール→野暮、控えめな自己紹介→粋
8)筆者自身が写り込んだ写真→野暮、話題に関連した写真や絵→粋
9)熱い議論→野暮、冷静な議論→粋
10)罵倒→野暮、ユーモア→粋
11)匿名で「どなる」→野暮、匿名を意識して謙虚→粋
12)徹底的な議論→野暮、センスのいい問題提起→粋


 とりあえず、この基準に基づいて自分のブログを評価してみると、

1)カキコミの制限はしていません(スパムコメントは消去してますが)。→粋
2)ハンドルネームは許容してます。→粋
3)自慢話はなるべくしないようにしてます。失敗はできるだけ素直に書くように心がけています。→粋
4)アフィリエイトは昔は多用していましたが、今はAdSenseとAmazonアソシエイトだけにしています(ブログの右下のほうに自分用の買い物リンクは作ってますが、これは他人様に何かを買っていただこうとは思っていません)。→でも無償じゃないので野暮
5)話の流れに関係ない話題は多いです。というか、投資ブログになってないかも。→野暮
6)ブログで他人を批判するつもりはありません。また批判は受け入れているつもりです。→粋
7)プロフィールはいろいろ書くのがめんどくさいので簡単にしてます。→結果的に粋?
8)写真はありますね~。少し自己顕示欲はあるのかも。→ということで野暮
9)熱い議論は嫌いです。さらっとスルーで。→粋
10)罵倒はしないですけど、ユーモアは足りないなぁ。→どちらでもない
11)謙虚に振舞っているつもりです。→粋
12)徹底的な議論は好みません。結論もなるべく求めない。でも問題提起のセンスはいまいちでしょうか。→どちらでもない

 ということで、粋が7、野暮が3、どちらでもないが2という結果でした。自分のブログですので、多少バイアスがかかっているとすると、粋と野暮が半分くらい、粋でも野暮でもない平凡なブログということになりそうです(だからアクセス数が伸びないのかなぁ・・・)。この結果から、私なりのブログの作法(というか理想?)を考えてみました。たいしたPVもないのに「作法」もくそもないのですが・・・。

・来る者拒まず、去る者追わず。批判は受け入れ、仲良しゴッコはだめ。
・頂いたコメントには丁寧に返信しましょう。
・自分の意見(軸)はしっかり持つけど、人様のやり方を批判しない。あくまで冷静に。
・実際のエントリではあまり強く「自分」を前面に出さず、謙虚な姿勢で。
・要らないものは極力減らして、シンプルかつ軽いブログで読みやすい画面に。
・でもアフィリエイトはちょっとだけ利用させてください。
・ブログのテーマに沿ったエントリを書きましょう。
・そして、もっとユーモアを!

 と、ここまで書いてて気づいたのですが、自分の事ばかり書いててなんだか野暮ですね。根が田舎者だからかな・・・。せめて読んでて不快にならないブログを目指していますので、「ブログの作法」に関して皆様のご意見お待ちしております。

[ 2008/09/05 12:32 ] 雑記 | TB(0) | CM(6)

TOPIXバリュー指数

 9月2日付のFujiSankei Business i.でこんな記事を見つけました。

TOPIXに新指数 割安株の「バリュー」、成長株の「グロース」

 ざっと読んで目に留まったのはこの部分。

 新指数の算出を受け、複数の資産運用会社が10月以降、これらの指数に連動するETFを商品化する見込み。投資家は同指数を採用した金融商品の活用で、上場企業の株価を個別に評価する銘柄探しの手間をかけず、簡単に割安株や成長株に投資できるようになる。


 太字部分が本当なら、東証一部銘柄については、「TOPIX バリュー指数」ETFが出てくれれば何も考えずにこれだけ買っておけばいい感じです。今までは新興市場の小型バリュー株ばかり買っていましたが、運用資産の半分くらいはこちらにまわしてもいいかもしれません。ああ、悩ましい。


 でもって、東証のサイトを見ると、TOPIXのスタイル指数について7月末に概要が出ていました。

TOPIX等のスタイル指数(バリュー指数、グロース指数)の概要について

 以前ブログに書いたときより具体的な内容になっています。東証のニュースによると、導入される指数は以下の6種類になるようです。

1.TOPIX バリュー指数
2.TOPIX グロース指数
3.TOPIX 500 バリュー指数
4.TOPIX 500 グロース指数
5.TOPIX Small バリュー指数
6.TOPIX Small グロース指数

 注目は「TOPIX Small バリュー指数」、小型株効果もバリュー効果も享受できそうなすばらしい指数です。特に新興市場にこだわらないなら、このETFが出ればこれ一本でいけそうな感じです。また、リンク先の記載によれば、バリュー・グロースの線引きは、原則PBRで、予想PERを使って若干の補正を行うようです。私がやっているスクリーニングの内容とは若干違いますが、バリュー銘柄に広く浅く投資できるという点では明らかにこの指数のほうが優れていると思います。

 仮に野村あたりがこの6指数のETFをすべて商品化してくれれば、スクリーニングなどによる定量分析だけで行うバリュー投資は、すべてバリューETFで代用できそうです。運用資産の大部分はETFで運用して、20~30%を新興市場の割安株を自分で選んで投資するという方法もいいかもしれません。

 これらの指数が本当にETF化されるのかどうかはわかりませんが、本当にバリューETFが商品化されるようなことになれば、運用方法を根本から見直すことも考えられそうです。

[ 2008/09/02 12:13 ] 投資 | TB(0) | CM(4)