2008年5月の運用成績は以下の通りとなりました。
5月iFundパフォーマンス:+10.32%
5月TOPIXパフォーマンス:+3.64%
5月TOPIXアウトパフォーム:+6.68%
5月JASDAQパフォーマンス:+0.94%
5月JASDAQアウトパフォーム:+9.38%
2008年iFund通算パフォーマンス:-4.91%
2008年TOPIX通算パフォーマンス:-4.58%
2008年JASDAQ通算パフォーマンス:-10.38%※上記パフォーマンは、「売買時の手数料込み・税引き後配当を再投資・資金追加時はパフォーマンスを修正・キャピタルゲイン税は考慮せず(現時点ではまだ発生してないので)」という条件で算出しています。
(下のグラフは2005年1月からの累計)
個別銘柄ポートフォリオ
今月の売買なし
今月はTOPIXにもJASDAQにも大勝、久々にいい気分です(笑。他のバリュー投資家さんのブログを拝見すると、皆さん今月はパフォーマンスが良いようなので、特に私の銘柄選択が優れているわけではなくて、割安株全体のパフォーマンスが良かったのでしょう。とは言え、年初来のパフォーマンスはまだまだマイナスのまま。来月もこの調子でバリュー株相場が続いてくれるといいのですが。
個別銘柄では、特定の銘柄のパフォーマンスが良かったというより、PF全体が騰がった感じですが、その中でも、幻冬舎・プロトなどのストップ高が今月の好パフォーマンスに貢献しています。3月決算銘柄については、すべての決算が出揃いましたが、特に問題はなかったので、結局売買はありませんでした。来月四季報が届いてから新しい銘柄の開拓でもしてみようかと考えています。
また、今年はじめに勤め先のストックオプションを行使し、現在も売らずに保有している自社株の配当を今月受け取りました。株数が多いのでそこそこ大きな金額になっているのですが、こちらは運用口座には入れず、そのままキャッシュで保有しています。長期休職で収入が減り、手許現金が少し寂しくなってきているので、しばらくの間は運用資金の追加投入は無理そうです。
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久々の投資本です。といっても投資というよりは投資哲学の本でしょうか。ジム・ロジャーズが娘のために書いた雑誌の連載がもとになっているようです。
今までジム・ロジャーズの本を読んだり、講演を聞いたりしている人にとっては、取り立てて目新しいことが書かれているわけではないので、あまり面白くないかもしれません。ただ、親として自分の子供に読ませたい本としてはいい内容だと思います。我が子にもいつか読ませてあげたい本です。親として自分の子に贈りたいと感じた文章がいくつかありました。
ひとつ言えることは、素晴らしい人生を歩むためには、「お金をもらえなくても、やりたいことをやるべきだ」ということ。それが成功の鍵だ。
人生で私が経験したあらゆる冒険の中で、究極の冒険は娘である君なんだ。君は、私がこれまでに見たことのない世界を見せてくれた。
君の父は、君に何よりも自分に正直であってほしいと願っている。高潔で、自分で考え、真摯に自らの間違いを認め、正していける人間になって欲しい。君の父は、いつだって、その手助けをしていく決心をした。君がこの世に生を受けたその日から。
君が君の夢を実現すること。それはまた、私の夢でもある。私は父親として君が幸せで満たされた人生を歩むことを望む。君が、情熱を持ったものを追いかけ続けることを望む。他の誰かの夢、君の父の夢でもなく、君自身の夢を追うことが最高の生き方だ。多くの人たちは他の人々のために生きようとする。子供のため、配偶者のため、はたまた隣人や友人のため。私は君にそのような生き方を望まない。私は君を愛しているから、君は君らしく生きてほしいし、そして、一所懸命に生きる君を、私はなにより愛しいと思うだろう。
娘よ、懸命に走れ。できるだけ遠くまで。そうすれば君の夢は必ず実現するだろう。
前回紹介した本とは正反対の真面目な(前の本もある意味真面目ですが)ビジネス書です。数ヶ月に購入して、少しずつ読んでいたものをやっと読みきりました。
私は一応課長だった(今は長期休職中のため役職を解かれて平社員です)ので、会社の管理職研修を受けたり、自分でマネージメントに関する本を読んだりしていたのですが、「課長」に絞った研修や本はあまりなかったように感じます。ほとんどが中間管理職の役目とは何ぞや?といった漠然とした内容で、時間が経つと頭に残っていないものが多いです。この本では、日本的な課長(中間管理職)の本当の役割とはなにか、どんなスキルが必要で、どんな問題が起こりえるのかが具体的に書かれており、これから課長になる可能性がある人や、今課長をやっている人には参考になりそうな内容です。
課長に必要な基本的なスキルとして、部下を守ることや課内のモチベーションを保つことなどがあげられています。本書ではどれも簡単に書かれていますが、実際これをやろうと思うとそれなりの経験と人間力が必要なように感じます。また、課長が直面する問題として、部下が「辞める」と言い出したり、自分の言うことを聞かなくなったりすることなどが挙げられています。これらを具体的にどう解決すべきかについても書かれているのですが、これもやはり実際に実行するのは難しいのでは?というのが私の感想です。
ここから先は個人的な愚痴になってしまいそうですが、まっとうに「課長」という職務を務めようとするのであれば、相当な経験と精神力と体力が必要で、本一冊読んだくらいで簡単にできるものではないと思います。上司も部下も一人の人間で、自分の思うとおりに動くわけではありませんし、中間管理職は現場で発生するイレギュラーな問題にも適時対応しなければなりません。そのうえ会社の方針に従い組織を動かし、部下の人事評価を行い、なおかつ課内のモチベーションを高く保つなど、すべてを完璧にこなそうと思えば相当な経験と能力(とセンス)が必要で、こればかりはいくら本を読んでもできない人にはできないし(周りにセンスのないダメ上司はいませんか?)、そもそもこのような本を読まなければならない時点で、その人は(私も)あまり管理職には向いていないのかもしれません。
とはいえ、私の経験上からも、この本に書かれている内容は課長をやっていれば必ず経験するようなことばかりですし、その対応方法も具体的です(できるかどうかは別として)。自分に「課長」になる素養があろうがなかろうが、それなりに働いていれば「課長」(かそれに近い中間管理職)くらいにはなるでしょうから、「こういうことが起こりえる」と知っておくだけでも無駄にはならないと思います。
水瀬さんが「
ゴールデンウィーク早期リタイア考(その2) 地に足の着いた早期リタイア本」というエントリでお薦めされていた本を読んでみました。
一読して、人生観が少し変わったように感じています。例えば、現在私は休職中で、働いていないことになんとなく罪悪感を感じていたのですが、この本を読んだ後は随分と気が楽になり、休職するの(仕事をしないこと)もそんなに悪くないなと考えています。もともと休職中も自分の今後の生き方について色々と思うところがあったのですが、この本を読んで、仕事が中心でない生き方について前向きに捉えることができるようになりました。
水瀬さんのブログでは「早期リタイア」というテーマでこの本が紹介されていますが、早期リタイアに限らなくても、今の生き方を見直すいいきっかけになる本だと思います。今までは精一杯働いたり、資産運用の勉強をして、いかに多くのおカネを得るかということを重点的に考えていましたが、この本を読んで、人生の後半を迎えつつある自分が、仕事以外の分野でアイデンティティを保てるものがほとんど何も無いことに気付いています。
以前紹介した
スティーブ・ジョブズのスピーチで、
みなさんの時間には限りがあります。誰かほかのひとの人生を送ることで時間を無駄遣いしてはなりません。ドグマに閉じこめられてはいけません。それはほかのひとの考えた結果とともに生きることになります。他人の意見で自分の内なる声をかき消してはいけません。最も重要なことは自分のハートと直感について行く勇気を持つことです。どういうわけか、みなさんが本当に何になりたいと思っているか、すでにみんな知っています。
という一節がありましたが、今の私は自分の人生を生きているといえるのかどうか疑問に感じています。働き出す前、学生の頃は、あまり勉強はしていませんでしたが、今振り返るとそれなりに自分自身の選択で自分の人生を生きていたように思います。あの頃色々なことを(くだらないことも)経験してワクワクしたり感動したことが、今の自分にはほとんど無いように思えるのです。
今は家族があり、子供も生まれ、学生時代とはまた違った生活をしているので、昔のように勝手気ままに生きることは難しいのでしょうが、それでも、何か感動できること、ワクワクできることを見つけることは難しくないのだと、この本を読んで思いました。もちろん日々の生活のためには最低限の経済的自立が必要なのでしょうが、自分の人生を生きるためにも、そして、また同じ病気にならないためにも、一度自分の価値観をひっくり返してみるのも悪くないなと思っています。
友人のお薦め小説、読了しました。小説を読むのは久しぶりです。
浅田次郎といえば、『鉄道員』の作者というくらいしか関心がなく、歴史小説を書いていることも知りませんでした。この小説は中国・清朝末期を舞台にした歴史小説で、
Wikiによれば「著者の最高傑作」と言われているようです。私は大学時代に東洋史を専攻していたのですが、清末の歴史には疎く、登場人物についても名前を知っているくらいでその事跡を詳しく知らなかったのですが、それでも楽しく読めました。やっぱり面白い小説はいいですね~。久々に本で夜更かししました。
冒頭の科挙のシーンが、どこかで読んだことのある内容だなぁと思ったのですが、巻末に参考文献の一覧が載っており、どうやら出典は
宮崎市定先生(東洋史を勉強していれば、おそらく宮崎市定先生の本は一通り読まされることになると思います)の『科挙』だったようです。参考文献の中には他にも読んでみようかと思う本が何冊かあったのですが、他にたくさん未読書があるので止めておきました。ちなみに、作中では柴少佐が戊辰戦争の会津での戦いを経験しているように書かれていますが、
柴五郎の自伝によればそれは間違いだったと思います。
ともあれ内容はとても面白く、特に
西太后のひととなりについては、悪く書かれることが多いので、この小説の西太后像は新鮮でした。他にも色々と感想はあるのですが、とりあえず読んでみぃといった感じでしょうか。続編もあるようなので、そちらにも興味があります。
発売直後にアマゾンに注文したのですが、他に未読書が溜まっていて、最近やっと読み終えました。
橘玲独特の少々毒のある文章で楽しく読めました。全体的に橘玲氏の過去の著作をアップデートして一冊にまとめたような内容になっています。個人的に面白かったのは1章、4章、6章でした。以下、章毎に簡単に感想を書いてみようと思います。
第1章 究極の投資VS至高の投資 個人がいかにしてプロのポートフォリオに近づけるか(もしくは勝てるか)について述べられています。結論はサラリーマンの人的資本を債権に例えて、手持ちの資金にレバレッジをかけてリスク資産に投資すべしということのようです。内容的には『臆病者のための株入門』の続編のような感じです。自分の人的資本に対して、それほど多くない金額のアセットアロケーションをこまごまと考えている人にとっては皮肉な内容に感じそうです。経済合理性を突き詰めると安定した収入のあるサラリーマンであればフルレバレッジすべしということになるのかもしれませんが、私には怖くて出来ません(笑。
第2章 誰もがジム・ロジャーズになる日 内容は面白いのですが、新興国への投資には興味がないのでスルーです。
第3章 ミセス・ワタナベの冒険 こちらも内容は面白く、FXや為替の仕組みを理解できるのですが、興味がないので流し読みでした。個人的にFXは胴元の取り分が少ない割のいい博打だと思っています。
第4章 革命としてのヘッジファンド 前半のヘッジファンドの話も面白かったのですが、後半の複雑系の科学と投資を結びつけた部分が『投資の科学』を簡略化したような内容で興味深かったです。私は個別株投資でファットテールの端っこを狙っているつもりなので、著者の意見とは少し違って、市場はそれほど効率的ではないと思っています。ファットテールの「身長10メートルの巨人」という例えは面白いのですが、合理的な個人が合理的な市場を形成しているのではなく、非合理的な個人が相殺しあって結果的に市場が「ある程度」合理的だと仮定すれば、どこかに「身長10メートルの巨人」はいると考えています。
第5章 タックスへイヴンの神話と現実 『マネーロンダリング入門』とほぼ同じような内容でそれをアップデートしたような感じでした。日本でも沖縄かどこかがタックスヘイヴンになれば面白そうなのになぁなんて妄想してしまいました。
第6章 人生設計としての海外投資 この章は今までの橘玲氏の主張を繰り返しているような感じです。海外投資と非居住者になることによる合法的節税について語られていますが、最後はやっぱり主権国家を否定しているのかなぁと思わせるような内容でした。PTという生き方については、家族も持たずに一人で生きていく覚悟があるのなら案外簡単に実現できそうな気もします。ただ、一般の人々にとっては家族や友人、その他のいろいろなしがらみや健康面(特に老後)の問題などを考えるとなかなか実現するのは難しいのではと思います。
過去に橘玲氏の本を読んだことがある方も充分楽しめる内容になっていると思いますし、金融に興味があるのならこの本から始めて、そのほかの橘玲の本を読んでみるのもいいかもしれません。ちなみに、
公式サイトによると、このシリーズは実践編を含めて3部作になるようで、続編の発売が楽しみです。