今回ジム・ロジャーズの無料セミナーを主催した
三貴商事
から「
商品新時代」というファンドが発売されるようです。というか、そもそも今回の無料セミナーはこのファンドの宣伝だったようです。当日資料をもらうまで気付きませんでした・・・。
以前のエントリで商品ファンドについて書きましたが、ロジャース国際商品指数(RICI)を参照するファンドとしては最安値で買付できるファンドになりそうです。申込単位は10万円以上1万円単位、しかもオンラインで購入すれば手数料無料(対面の場合1%)ということでかなりお買い得かなぁと思ったんですが、ランニングコストが高い!
信託報酬:0.5%
ゼネラルパートナーの管理報酬:2.2%
商品投資顧問会社の管理報酬:1.0%
その他費用(監査費用等)
なんと、合計で3.7%!・・・”ゼネラルパートナーの管理報酬”って要するにRICIへのライセンス料ってことでしょうか?もしそうであれば、インデックスファンドなのにインデックスに対して2.2%も手数料を払っていてはインデックスファンドの意味ないと思うのですが・・・。今もってるニッセイコモディティファンドの信託報酬1.26%と比較するとボッタクリ過ぎかなぁと感じます。もっとも他にRICIを参照するコモディティ・インデックスファンドはないようなので、仕方がないのかもしれませんが・・・。
申し込みは10月2日からとのこと、セミナー中は一口くらいは買ってみようかと思ってたんですが今はどうしようか迷ってます。
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第2部 ジム・ロジャーズのへの質問
Q:今、最もベストな投資対象は?A:農産物。農産物は過去の最高値から-50~90%の水準にあり、コモディティの中でも、最も割安である。世界中の穀物の作付面積は減少を続けている。
Q:日本人には商品投資は馴染みがなく、リスクが高いイメージがあるが、実際商品投資のリスクは高いのか?A:コモディティのリスク(ボラティリティ)は株式より低い。また、株式は無価値になる可能性があるが、コモディティの価値はゼロにはならない。あなたにとって、株式と米のどちらが身近か?ファンダメンタルの分析は企業よりもコモディティの方が簡単。
Q:原油、金はすでにかなり割高になっていないか?A:原油も金も、まだ(インフレ調整後の価格で)前回の最高値を越えていない。一旦上昇相場が始まれば、前回の最高値を更新するまで価格の上昇は続く。ただし、一時的な調整はあるだろう。
Q:中国の政治リスクは?個人的には10年以内に中国と台湾の間で戦争が起こると考えている。仮にあなたの言うとおり、中台間で戦争が起これば、日本を含めたアジアのすべてのマーケットは売られることになるだろう。しかし、私は中国人も台湾人も平和を願っていると思っている。仮に戦争が起こったら、コモディティは買い。戦争後に最も早く上昇するのはコモディティだから。株式でもOK。戦争が終わりそうになったら買うといい。
Q:砂糖や大豆が安いと思いますが、投資対象としてどうでしょう?あなたが安いと思うなら、今すぐ買いなさい。私に尋ねるのは間違えている。自分で調べ、考えて投資しなさい。
ここで、ジム・ロジャーズからスタッフに対して、効率よく質問に答えられるように質問者には事前にマイクを渡して置くように指示が入りました。ここから、ジム・ロジャーズ自身が次々とマイクを持った質問者を指し質問を促します。Q:前半の講演で中国の不動産バブルが弾けるとの指摘がありましたが、どのような根拠でそう考えておられるのか?また、日本の不動産株への影響はあるか?(この人不動産株に集中投資でもしてるんでしょうか???)中国政府は、現在の不動産投機が行き過ぎだと認識している。過去に日本で起こったバブルと同じように、政府はバブル退治に乗り出す必要があり、実際に中国政府はそのような政策を取りつつある。また、中国の不動産マーケットと日本の不動産マーケットはそれぞれ独立しているので、日本の不動産マーケットへの影響はない。もっとも、あなたの持っている不動産会社が中国に投資していたとしたら影響はあるだろう。
Q:私は不動産投資をしています。不動産投資についてはどのようにお考えですか?(最前列に陣取っていた若いお姉さんで、英語ペラペラでした)不動産投資の基本は一に立地、二に立地、三に立地です。あなたは不動産投資家とのことですから、充分ご存知でしょうが・・・。私が有望だと思うのは資源国の不動産です。コモディティ価格の上昇により潤う地域の不動産は買いです。
Q:東京工業品取引所商品指数(TOCOM Index)は投資対象としてどうでしょう?(これは私も聞きたかった)A:工業品などの特定セクターへの投資が有効かどうか、自分で考えて決めなさい。
Q:日本の先行きは?日本に対しては楽観的。実際、日本円・日本株はまだ持っているし、最近も買った。ただし5年後も持っているかどうかはわからない。日本株はこの数年でかなり上昇したが、まだ上昇の余地はあると思う。皆が日本に対して悲観的であれば買い、楽観的であれば売り。日本はこの数年で貿易相手国を米国からアジア諸国へシフトしており、これは賢明な選択だと思う。しかし、人口問題は日本の未来に大きな影響を与えるだろう。
Q:為替取引をしています。今後有望な通貨は?もし会場内でこの質問に答えられる人がいれば、セミナーが終わったあと私に耳打ちしてください(笑。私にはわかりません。ただし、米ドルは最悪。米ドルを買い続ける日本政府の行動が理解できない。私は日本の参政権を持っていないのでどっちでもいいのですが(笑。
Q:大阪は初めてとの事ですが、たこ焼き・お好み焼きは食べましたか?(女性からの質問)大阪は2回目です。たこ焼き・お好み焼きも食べましたよ。美味しかったです。もしあなたがお薦めの店があったら、これが終わってから案内してください(笑。
Q:ジム・ロジャースさんでも迷ったり、悩んだりすることはありますか?また、そのような場合どう対処しますか?私も皆さんと同じように迷い、悩みます。もし万能な解決法があれば、是非本にして出版してください(笑。
Q:次にどのような冒険を考えていますか?現在の私にとってのアドベンチャーは娘です。出来る限り娘と時間を共にしたい。今、娘(3歳)には中国語を教えていて、彼女は中国語に堪能です。もう少し大きくなったら、彼女と中国を旅したいと考えています。中国、インド、ブラジルをそれぞれ6ヵ月かけて旅したいと考えています。また、家族と共に中国語圏に移住することを真剣に考えています。
この他にもいろいろな質問がありましたが、全部はメモる事が出来ませんでした・・・。最後に・・・「最高の投資法は出来るだけ何もしないということです。自分で調べ、考え、”目の前に金が落ちている”という確信を持てるまで動かないことが肝要です。」
第1部 ジム・ロジャーズの講演の内容
・1999~2001年の世界一周旅が終わった後、結婚して子供を作った。以前は投資家に子供は不必要と思っていたが、今は違う。娘は私にとって最も重要な存在だ。皆さんも家に帰ったらすぐに子供を作りなさい。
・中国の台頭19世紀は大英帝国の時代。20世紀はアメリカ合衆国の時代。そして、21世紀は中国の時代となるだろう。中国については短期的な後退局面はあり得ると考えている。直近では、不動産投機が過熱しており、この不動産バブルが数ヶ月~数年で崩壊する可能性がある。しかし、長期的には中国の時代となる。中国人は豊かになるために勤勉に働く。中国人の貯蓄率は35%、アメリカ人は僅か1%。
→インドに関する発言は無し。中国の将来性についてはちょっと思うところアリ。・米ドルの先行き米ドルは過去60年間、世界の基軸通貨であった。それ以前は英ポンドが世界通貨であったように、米ドルもいつかは世界通貨ではなくなる。米国は1987年以降債務国となり、現在は8兆ドルの債務がある。政府はドル安政策を取っており、米ドル紙幣をどんどん印刷して世界中にばら撒けばいいと考えている。コントロールされない通貨は危険。このような経済政策は長期的には通用しない。
→次の基軸通貨については言及せず。後半の質疑応答では、有望な通貨は「わからない」と回答していました。ちなみに日本円は「まだ保有している」とのこと。・債券債券価格の上昇は2003年に終わった。
→債券は問題外のようです・・・。・株式(米国)1980~90年代の上昇相場で今は頭打ち。バリュエーション(PER・PBR・配当利回)的にも、米国株は割高。今は高値のボックス圏で推移しており、この局面で利益を出すのは難しい。
→株式のバリュエーションについては、PER・PBR等の歴史的な指標で判断するのが妥当との発言もあり。・株式(アジア)アジアの株式は、バリュエーション的にまだ割安。
→日本株、「まだ持ってる」そうです。・コモディティコモディティの現在の状況は20~30年前の(割安だった頃の)株式と同じ。長期の買い持ちで運用すべき。2003年から始まったコモディティの上昇相場は、2026年まで続く可能性がある。コモディティの上昇相場は15年~23年続く。最近までコモディティへの投資はほとんど行われておらず、商品生産のための設備投資に資金がまわっていない。新しい油田は1970年代以降発見されていない。いずれ需要と供給のバランスが崩れ、コモディティはもっと上昇する。
→内容は『商品の時代』とほぼ同じでした。・コモディティ・インデックスRICI(ロジャーズ国債商品指数)は1998~2006年で268%上昇。同時期のS&P500はフラット。コモディティにも一時的な下落はあり得る。一番利口な投資手法はインデックスへの投資。個別銘柄に自信があるなら、それは各自の責任で自由にやればよい。コモディティは株式との相関がないので、分散投資に使える。
→ジム・ロジャーズ自身は分散投資に懐疑的?儲かると確信したら(儲かると確信するまで動かない)、そこに集中投資するようです。・原油について(代表的な商品としての)過去、原油輸出国であった国々が原油輸入国となっている。OPECの中にも原油輸入国が出てきている。(最大の産油国である)サウジアラビアについては、公開されている原油埋蔵量のデータに信憑性がない。サウジでは毎年埋蔵量が発表されているが、その埋蔵量は常に同じであり、産出量が増加していることと矛盾している。
前半はここで終了。
「
ジム・ロジャーズ来日記念 無料セミナー」の大阪開催分に当選したので参加してきました。東京・大阪の合計定員1,200名に対して、応募者は5,000人以上だったそうです。競争率4倍以上!くじ運のない私にしては珍しいことです。
司会者曰く、会場にはわざわざ北海道や沖縄から来ている人もいたそうです。参加者の年齢層は若い人からお年寄りまで様々で、中高年夫婦や英語ペラペラの綺麗なお姉さん、オタクっぽい方々などなかなか多彩でした。ちなみに、私の隣の席に座った兄ちゃんがやたら汗臭くて閉口しました・・・。
前半1時間はジム・ロジャーズの講演。後半はジム・ロジャーズへの質疑応答でした。後半の質疑応答は結構盛り上がり、終了予定時刻をかなりオーバーしました。講演と質疑応答の内容はメモに残してあるので、後ほど2回くらいに分けて記事にしようと思っています。
セミナー終了後、ジム・ロジャーズのサイン大会が始まり、みんな『商品の時代』やその他の著作にサインしてもらっていました。こんなイベントが起こるとは予想もしておらず、彼の著作を持っていなかったので、写真だけ撮ってきました。

相変わらず蝶ネクタイにサスペンダーでした・・・。