表題バフェット本読了。
あまり他の投資家さんのブログでは話題になっていませんが、最近のバフェットを知るにはなかなかいい本だと思います。私はこのブログの副題に「アンチ・バフェットな」と書いているのですが、この本を読んでいただければ、なぜ「アンチ・バフェットなバリュー投資」を目指しているのかわかってもらえそうです。
本書のポイントのひとつとなるバフェットの投資手法が個人投資家に真似できない理由については、私も少し前から考えていたことでした。一つは資金規模の違い。個人投資家の資金ではどんなにがんばっても会社の経営陣に影響を与えるほどの株式を取得できませんが、バフェットの場合多くの案件で経営陣に大きな影響力を持てる程度の株式を取得しています。バフェット曰く、経営陣に口を出すことはないと言っていますが、実際はバフェットが大株主になるだけで経営陣には多大な影響を与えていると考えています(特に資本配分などに関して)。対して、個人投資家の資金量では会社の経営に影響を与えることは不可能に近く、特定の会社に資金を集中してもリスクが増すだけで、バフェットのように自分に有利になるよう投資先に影響力を行使することはできません。
ということで、個人的にはバフェットの投資に関する考え方はともかく、投資手法は資金的に個人投資家が真似することは不可能で、資金の少ない個人はそれに合わせた投資手法が必要であると考えています。これについては、この本の中では端的に次のように表現されています。
バフェットは、株ではなく企業を買うのだと語っているが、彼のように巨額の資産をもたない投資家は、「自分は企業を買うのではなく株を買うのだ」と考えたほうがよい。
上記以外にも、これまでにたくさん出ているバフェット礼賛本とは違った視点からバフェットについて書かれているので、『
バフェットの株主総会』と合わせて読むとなかなか面白いと思います。
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バフェットの真似が出来ない所があるのは認めますが、最後の引用部分には賛成できかねます。
株を買うことは企業を部分所有する事、という事が彼から学ぶ一番重要な事だと思っています。
>こなつさん
こんばんは。
株券という紙切れ(今は紙切れでさえないですが)を買うのではなく、企業の所有権の一部を買うということは理論的にも正しいことであると思いますし、実際そういう気持ちで投資をすべきなのだと思います。
しかし、実際には投資先の会社に何か変化があったとき(もしくは変化を起こしたいとき)に零細株主が取れる手段はほとんど何もないのもまた事実だと思います。それを端的に表現すると引用部分のような考え方になるものと理解しています。
ジム・クレイマーの株式投資大作戦(ジム・クレイマー著、日本経済新聞社)p158の最後に「株式というのは、結局のところ市場で売買され、その値段が大手機関投資家連中によって操作されて上がったり下がったりする、単なる紙切れにすぎないのだ。」という記載があります。
実際のところ、どうなのか、僕には分からないのですが(きっと2つの側面があると思う)、僕はジム・クレイマーの、この記述(この説)を採用しています。ちなみに、採用の根拠は、「何となく、それが実情を表している気がするから。」だけなのですが。
>のっぽさん
毎度です。お元気そうで何よりです!
私の意見は、株式は短期的にみれば値段がコロコロ変わるただの紙切れ、中長期でみれば会社の部分所有権といった感じです。
ただ、どれくらいの期間を短期とするのか長期とするのかという結論は誰にも出せそうにないので、結局市場に参加している人々にさまざまな意見があり、そのバランスの上に市場の値付けが成り立っているということになるのではないでしょうか。
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